【うるま】石川部落事務所の修繕工事落成と字石川誌の発刊を記念した祝賀会が2日、うるま市石川2丁目の同事務所で開かれた。終戦直後の石川の施政がスタートした施設で、ムラヤーとして県内では唯一現存する。
タイミングよく字誌も完成したため、同時開催となり、住民たちが石川の伝統行事を通じて祝った。
石川部落事務所は、木造平屋建て。総瓦ぶき。前年度の市指定文化財整備事業の一環で修復された。昨年12月から作業が始まり、4月に完成した。約130平方メートルの広さで、祭事の場として、また地域の伝統行事であるウスデークやエンサーの継承研修場などとして今後活用されるという。
石川部落会の伊波常洋会長は「過去に自己資金などで2回修繕しているが、今回は傷みの度合いが大きく大幅な改修になった。地域の伝統を守る施設が落成し、喜んでいる」と話した。
4年前に字誌の編集委員会が発足。12部会を設けて、海外移住者らからの証言や写真、資料などを集成した。
戦前の記憶が薄れていく中で、世代が健在なうちにと発刊を進めてきた。463ページで13章からなり、500部を制作した。
編集委員会の石川修委員長は「外国に移住した人も、地域の人も字誌の発刊を望んでいた。20人の委員に項目を割り当て一生懸命やってもらった。発刊にこぎ着け、ひと安心。喜んでいる」と話した。
この日は、第1部で事務所落成や字誌発見の経緯などが報告された。2部では数々の伝統行事による余興が催され、多くの住民が落成と発刊を祝った。