MICE施設、豊見城への建設が最有力 来週にも決定


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MICE建設候補地

 県が計画する最大収容2万人の大型MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)施設の建設用地選定が大詰めを迎えている。複数の関係者によると、那覇空港に近いアクセスの良さなどから豊見城市への建設が現時点で最有力視されている。

現在、県と同市は建設用地の建ぺい率など、残された課題をクリアするため最終的な詰めの作業に入っているとみられる。早ければ来週にも正式に決定する見通し。
 MICE施設は豊見城市のほか、那覇市、浦添市、宜野湾市、与那原・西原町も誘致している。県は整備可能時期や用地の広さ・拡張性、アクセスなどの評価項目を基に検討を進めてきたが、各自治体とも何らかの課題を抱えており、決定までにはなお流動的な要素も残る。
 県は当初、7月中に用地決定する方針だったが、調整が遅れていた。
 MICE誘致に向け、豊見城市は空港に近接した豊崎の美らSUNビーチ近くに15ヘクタールの用地を確保。アウトレットモール「あしびなー」などの商業施設が立地するほか、台湾大手セメント会社がホテルや家族向けの大型娯楽施設の開発を検討している。一方、那覇空港を発着する航空機の騒音や建物の建築規制といった施設整備の影響が指摘されていた。
 那覇市は那覇軍港の一部を用地として提案するが、日米共同使用の実現が前提。浦添市は候補地の西海岸開発地区の埋め立て開始が早くても17年のため、20年の運用開始は困難視されている。宜野湾市が候補地とする宜野湾海浜公園は、広場や公園設備を備えているため、代替用地の確保が必要。与那原町と西原町が誘致するマリンタウン地区は、宿泊施設がないことや空港からのアクセスが課題となっている。
 MICE施設は多目的ホール(7500平方メートル)、展示場(1万~2万平方メートル)、中小会議室(20~30室)で構成。17年までに着工し、那覇空港の第2滑走路運用開始に合わせた20年の施設稼働を目指している。