石垣字会「みょうら旗頭」復活へ 99年ぶり、10月披露


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「みょうら旗頭」の復活に意気込む池城孝会長(右)と森永用朗副会長=8日、石垣市石垣の石垣公民館

 【石垣】“幻”の旗頭復活へ―。石垣市石垣の石垣字会(池城孝会長)は99年ぶりに、飾りの付いた傘のような形をした「みょうら旗頭」の制作を進める。「みょうら旗頭」は1915年に披露された記録はあるが、現存は確認されていない。10月に開催予定の結願祭でお披露目する予定だ。

 「石垣村の旗頭記」によると、「みょうら旗頭」は旗に竜が描かれ、その上に傘のような装飾があり、傘状の先には扇子や風鈴などの飾りが取り付けられている。
 森永用朗副会長によると、琉球王府の国王が出てくる時に掲げる傘を表現しているという。森永副会長は「めでたい象徴と捉え、旗頭に反映したのではないか。みょうら旗頭は地域の威厳ある旗頭と伝え聞いている」と説明した。
 この旗頭を直接見たことがある住民はおらず、新調に市民の期待も高い。制作は宮良長吉さん、長安さん親子が引き受けた。6月から「石垣村の旗頭記」に書かれた絵や簡単な図面を基に、作業を進めている。
 結願祭は6年ぶりの開催で、池城会長は「伝統の旗頭を掘り起こし、前回とはまた違った行事にしたい。みょうら旗頭は地域住民も待ちわびており、地域の結束へ住民の意識も高くなると思う」と意義を語った。