【伊江】遊具を使って公園で思いっきり遊びたいと、伊江村西崎区の子どもたちが遊具遊びを心待ちにしていたが、3年余にわたる熱い思いが地域の大人たちを巻き込み、遊具作りに向かわせた。3日、同村真謝区と西崎区の子ども会が、地域体験学習として、区グラウンドに手作りの遊具を造り、公園「山真山真(やまやま)パーク」を完成させた。
西崎区には以前、グラウンドにブランコが設置されていたが、老朽化し危険なため撤去された。
同区に住む小学6年生女子6人が、3年前から「公園に遊具がほしい」と大人に要望していた。ことし、最上級生となり、子ども会のリーダーとして「自分たちで公園を造ろう」と取り組んだ。保護者や地域の中学生と保護者ら約60人も参加した。
保護者らに、遊具作りを相談すると、「どうしたらいいと思う?」と促された。まずは「資金づくり」と考え5月に、同区公民館前で、1日限定の「手作りパン屋さん」を開いた。原料には昨年、同区の子ども会農園で育て、収穫した小麦を使った。パンは完売、資金の一部を手にした。
その間、地域の大人が見守り、子どもたちの活動を支えてきた。
当日は、区の中学生と保護者ら約60人も参加した。幼稚園生と小学生が壁画を描き、中学生は不要になったタイヤで「タイヤ跳び箱」を作り、ペンキで色を塗った。
子どもたちはペンキの乾きを待たずに、出来上がった跳び箱で楽しそうに遊んでいた。
念願の遊具を喜ぶ子どもたちは「後輩のためにも遊具ができてよかった。次は鉄棒や滑り台、シーソーなど、たくさんの遊具を増やしたい」とはじける笑顔で話した。
(中川廣江通信員)