ぬちまーす、中国に大口輸出へ 本格海外展開初


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中国に初展開するぬちまーすの製塩工場=2013年7月、うるま市の本社製塩ファクトリーぬちうなー

 製塩販売のぬちまーす(うるま市、高安正勝社長)が、初の本格海外展開で中国への輸出に向けた準備を進めている。塩の専売公社の広東省深〓(しんせん)市塩務局と11月にも契約を結ぶ予定で最終的な価格交渉を続けている。中国では不純分の混合を制限するため主成分の塩化ナトリウムが82%以上で「塩」と表示されるが、ぬちまーすは含有率が73%のため輸入に向けて塩務局が特例措置を取る。

当初は月間1トン年間12トンの輸出から始め、量を拡大させたい考えだ。
 これまでのぬちまーすの海外輸出は、米国や香港、台湾、ヨーロッパなどへ小口取引があったが、今回のようなまとまった量の輸出は初めて。
 きっかけは4年前の中国・西安市での高安社長の講演だった。病院関係者からの招きで、ぬちまーすに豊富に含まれるミネラル分が人体に与える影響などを説明した。講演を聞いた病院関係者がぬちまーすの輸入を塩務局に要請して、輸入に向けて動きだした。昨年12月に高安社長が塩務局にあらためて説明した。
 健康への高い関心が反映した格好で、深〓市の病院ではぬちまーすの人体への影響を研究する動きも出ているという。輸入は深〓市塩務局が窓口となる形で、中国全土への販売が可能だという。
 現在、うるま市宮城島の工場で月間10トンを生産しているが、国内の販売量を賄うのにも足りない状態。生産量拡大を予定しており、今後はさらなる海外展開なども視野に入れる。
 高安社長は「中国ではごみなどが混じったりするため、塩化ナトリウムの含有率を82%と高く設定している。ぬちまーすはミネラルを多く含んでいるため73%で、『中国の塩』ではないと言われたが、特例を設けてもらった」と輸出に向けた取り組みを説明した。
(滝本匠)

※注:〓は土ヘンに「川」