旧友との再会喜ぶ 各国から県系人集う ボリビア祝賀会


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移住地の将来について話し合った成果を発表する沖縄とボリビアの若者ら=17日(日本時間18日)、オキナワ移住地第一地域体育館

 【ボリビア=梅田正覚】県系人のボリビア入植60周年を祝う式典と祝賀会が17日(日本時間17日深夜から18日)、現地で盛大に催された。沖縄からの訪問団のほか、入植当初のつらい開拓生活に見切りをつけ、ブラジルなどの隣国に渡った人らも参加し、旧友との再会を喜んだ。一方、世界若者ウチナーンチュ連合会(WYUA、玉元三奈美代表)は現地の若者と共同で移住地の将来について話し合った成果を「未来宣言」として発表。さまざまな思いを持った幅広い世代の県系人がボリビアに集い、現地と交流を深めた。

  式典の前に開かれた慰霊祭に参加した比嘉茂さん(67)と志世子さん(66)夫妻はもともと移住地の入植者だった。1959年に入植したが、開拓当初の生活苦に耐えかね、4年後にブラジルへ去った。志世子さんは「私たちは移住地を去ったが、第二の故郷として毎日思い続けてきた。苦難を乗り越えて今の繁栄の土台をつくった先輩方の奮闘にお礼をしたい」としみじみ語った。
 WYUAは、祝賀会で「移住地と沖縄の青年がお互いに行き来する関係になる」などと5年後の将来について宣言。沖縄と現地の若者合わせて約70人が関わった初の宣言を、会場は温かく見守った。移住地のリーダーの一人で、ボリビア沖縄県人会の比嘉徹副会長は(50)は「若い世代の動きも活発になってきて、良い60周年行事となった。この機会を通して、ウチナーンチュのネットワークが広がってほしい」と歓迎した。