香港航路、社会実験へ 貨物定期化へ課題探る


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 那覇港管理組合は、那覇港から香港までを貨物船で結ぶ社会実験「輸出貨物増大促進事業」を10月をめどに開始する。現在那覇―香港の直行航路がないため、貨物を海上輸送する際、上海や釜山、九州などを経由し、2週間前後かかるという。

那覇と香港の航路を結ぶことで、時間を2~3日に短縮し、割高な費用の削減を図る。同事業を2016年度まで継続した上で、17年度からの航路定着を目指す。
 事業費は約1億3千万円。社会実験を通し香港航路定着への課題を検証する。航路が開設できれば、県産品の国外輸出を促進し県経済の活性化が期待される。
 輸入が多く、輸出が少ない輸入超過となっている那覇港の課題の解消も目指す。輸送費を低減することで貨物量の増加や那覇港への新規航路誘致につなげたい構えだ。
 那覇港を出発し、香港へ直行する航路や台湾を経由する航路なども含め、委託先の船会社と調整するとみられる。船会社は、9月にも募集する見込み。
 金城勉常勤副管理者は管理組合議会で「直行航路だと那覇港から香港へは2、3日で、台湾経由だと約1週間で着く。釜山、上海経由する場合には2週間ぐらいはかかる」と時間短縮の利点を強調した。
 香港、台湾などへ輸出している県産品には「乾燥モズク、ビールや冷凍コンテナでカボチャ、トウガンなども運べないかと考えている」と例を挙げ、効果を期待した。狩俣信子氏(県議)の質問に答えた。