南部農林に優秀賞 学校農業クラブ九州大会


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第57回九州学校農業クラブ連盟発表大会佐賀大会で優秀賞を受賞した南部農林高校の生徒=18日、豊見城市長堂の南部農林高校

 農業を学ぶ高校生がプロジェクトや意見の発表を行う「第57回九州学校農業クラブ連盟発表大会佐賀大会」(主催・九州学校農業クラブ連盟ほか)が6、7の両日、佐賀県伊万里市の市民センターで開催され、九州各県代表8校のうち南部農林高校がプロジェクト発表の食料・生産部門で優秀賞(2位相当)を受賞した。

約2年半かけた研究の集大成だ。意見発表の食料・生産部門でも中部農林高校の當山世樹さん(3年)が優秀賞に輝いた。
 南部農林高校1~3年生の14人はコーヒー粕(かす)を納豆菌で発酵させるなどして鶏用に飼料化した研究を発表した。
 一般的には廃棄されるコーヒー粕を飼料に混ぜ込むことで、通常のブロイラー1羽当たりの肥育期間(約1カ月半)の飼料を407円から368円まで下げられた。
 毎月行っている同校製品の販売会で、飼料を使った鶏の試食会を行った結果、来場者からは「肉が柔らかくなっている」との声があったという。10月の沖縄畜産研究会でも紹介する。
 今後は県内初の取り組みとして、この飼料を用い自校ブランドの鶏を確立していく。35コーヒーを販売するソーエイドー(八重瀬町)と連携して11月をめどに同品種のソーセージを販売する予定だ。
 琉球大学農学部の玉城政信教授は「順調にいけば家畜用の飼料として普及できる。コーヒー粕の鶏用飼料の実用化はどこもやっていないはずだ。高校生が取り組んでいること自体がすごい」と評価する。
 平安花林さん(2年)は「(自校ブランドの鶏を)南部のみならず県全域に広げたい」と話し、新城暁大(あきひろ)君(3年)は「企業化も視野に入れたい」と意気込んでいる。