8月のヤギ単価1.3倍と過去最高 県産需要増える


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 ことしに入り、ヤギの競り価格が上昇傾向にある。8月の雄ヤギ1キロ当たりの競り平均単価は、前年同月比約1・3倍の1348円と過去最高を記録した。1頭当たりの平均単価も高水準で推移しており、4月には雄ヤギが7万552円と4月としては過去最高を記録した。

安定供給を図るため、JAおきなわが「山羊生産振興協議会」を設立するなど、県産ヤギの供給拡大と沖縄ブランドづくりに取り組んでいる。
 雄ヤギ1キロ当たり単価は、ことし4月に1191円、6月1216円、8月には過去最高の1348円の値を付けた。雌ヤギも同様に8月は961円と過去最高だった。8月の雄ヤギの競り落とし最高額は、前年同月比約1・8倍の13万8240円だった。
 県産より価格が安い外国産ヤギは冷凍で送られてくるため、生で食べるには向かず、火を通した炒め物など調理方法が限定される。JAおきなわ南部家畜市場の担当者は「あまり匂いのない外国産に比べ、県産ヤギ独特の匂いもやみつきになる」と話す。
 山羊生産振興協議会によると、県産ヤギは人気があるが需要に追い付かず、県内のヤギ市場の約6割が外国産で占められている。ヤギ肉需要の高まりを受けJAおきなわは12日、県内12の生産部会で構成する「JAおきなわ山羊生産振興協議会」(仲里政和会長)を設立した。供給拡大と生産者の経営安定を目指す。仲里会長は「県内のヤギ文化を守りたい。協議会で業界を盛り上げ、農家の皆さんに還元したい」と話した。(上江洲真梨子)

ヤギの品定めをするバイヤーら=13日、糸満市南部家畜市場
ヤギ1Kg当りの競り単価の推移