学力テスト 沖縄の小学生、全教科で最下位脱出


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※中学生は2007年度の調査開始以降、全科目最下位の47位

 文部科学省は25日、小学6年生と中学3年生を対象に4月22日に実施した2014年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。平均正答率の全国順位で県内公立小学校は算数Aが6位となり昨年度の最下位から順位を41位上げた。

西日本では1位となった。国語A・Bはそれぞれ32位、算数Bは34位と上昇し、2007年の調査開始以来初めて全教科で最下位を脱出した。小学校4教科総合の平均正答率は24位だった。県内公立中学校は、7回連続全教科で最下位だったが、平均正答率の全国平均差が初めて全教科で10ポイント以内に入った。
 調査は国語と算数・数学の教科で主に知識を問うA問題、活用力を見るB問題に分けて実施した。
 県内公立小学校の平均正答率は国語A72・0%、国語B54・5%、算数A80・9%、算数B57・1%。全国平均との差はそれぞれマイナス0・9ポイント、マイナス1・0ポイント、プラス2・8ポイント、マイナス1・1ポイントだった。設問ごとの無解答率は算数Aの全設問で全国平均より低かった。
 県内公立中学校の平均正答率は国語A74・4%、国語B45・6%、数学A58・2%、数学B50・3%。全国平均との差はそれぞれ5・0ポイント、5・4ポイント、9・2ポイント、9・5ポイント低く、数学の低さが目立った。国語Bを除いて昨年度より全国平均に近づいた。46位の府県との差は4・5~1・6ポイントと依然大きく開いた。
 調査には県内の公立小学校260校1万5322人、公立中学校150校1万4861人が参加した。
 都道府県別で小学校は秋田が全教科1位で、国語Bは2位の石川に4・6ポイント差。中学校は福井と秋田が1、2位を独占した。
 文科省は小中学校の全教科についての分析で「ほとんどの都道府県が全国平均との差が5%の範囲内に入っており、大きな変化は見られない」としている。12年度以降は3年ごとに理科の調査もしており、次回は15年度の実施を予定している。

<用語>全国学力テスト
 正式名称は「全国学力・学習状況調査」。2007年度から小6と中3全員を対象に国語と算数・数学の2教科で実施。基礎知識を問うA問題と知識の活用力を見るB問題がある。児童生徒へのアンケートで学習環境や生活習慣も調べ3年に1回は理科も実施。民主党政権は約3割の学校を抽出する方式に変え、数年に1度は全員が受けるとしたが、政権復帰した自民党が全員参加方式に戻した。文部科学省は市町村教育委員会による学校別成績の公表を14年度から解禁した。