返還予定基地からドラム缶出土 文化財試掘中、異臭も


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 【宜野湾】15日から始まった宜野湾市のキャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区(約51ヘクタール)の文化財試掘調査で、25日までにドラム缶を含む異物と異臭を放つ地点3カ所が確認された。同地区内の調査で異物が確認されたのは初めて。

 宜野湾市教育委員会によると、有害物質などを有するか沖縄防衛局が調査する。作業員などへの健康被害は確認されていない。市教委は試掘調査を中止し、防衛局や県などと協議し今後の対応を決定する。異臭と異物が確認された地点は海軍病院に隣接し、県道81号から約200メートルに位置する西普天間住宅地区内。18~22日の調査で油のような臭いを放つ3地点が確認された。22日午後には直径60センチのドラム缶1本と金属製容器が発見された。ドラム缶は腐食が進み、内容物などは把握できていない。中には複数の腐食した金属製容器が確認された。
 異臭と異物が確認された一帯は現在、ブルーシートで覆われ、出土物の飛散の恐れはない。市は沖縄防衛局が実施する特定有害物質調査の結果を待つ方針で、当初予定していた9月末までの90地点での調査終了は難しいとみられる。
 同日、開かれた記者会見で玉城勝秀市教育長は「地域住民や作業員の健康を最優先に作業を進めていく。作業全体のスケジュールを考え、安全に行える作業があれば実施を検討していきたい」と話した。

西普天間住宅地区文化財試掘調査で出土したドラム缶=22日、宜野湾市の同地区(同市教委提供)