ハリアー、緊急着陸後に出火 嘉手納基地


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北側滑走路に緊急着陸した直後にタイヤ付近から炎が上がるAV8Bハリアー攻撃機=4日午後5時14分、米空軍嘉手納基地

 【嘉手納】米ノースカロライナ州チェリーポイント基地所属で、一時的に米空軍嘉手納基地で訓練飛行をしている米海兵隊のAV8Bハリアー攻撃機1機が4日午後5時12分ごろ、緊急着陸直後にタイヤ付近から出火した。

沖縄防衛局に照会した県によると、着陸時の摩擦で発火したという。
 當山宏嘉手納町長は「ハリアーは以前も滑走路上で炎上する事故が起きた。機体に何らかの異常がある可能性があり、即時撤去してほしい」と話した。嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)としても抗議要請などの対応を考えるとした。
 目撃者によると、ハリアーは午後5時8分ごろ北側滑走路を西向けに離陸したが、すぐに読谷側に旋回し、通常より速い速度で滑走路に進入した。誘導路に移動してエンジンを切った直後にタイヤ付近から出火した。緊急車両が機体に放水し、操縦士は出火直後に脱出した。機体は午後9時ごろにけん引されて格納庫に向かった。
 出火直後に別のハリアー3機が訓練のため嘉手納基地を離陸した。
 4日午前には嘉手納基地所属のF15戦闘機1機が着陸直後に緊急停止し、南側滑走路が数時間閉鎖されるトラブルもあった。
 嘉手納町議会は5日、基地対策特別委員会を開く。今回の発火事故や米国でのF15戦闘機墜落など相次ぐ米軍機の事故への対応を話し合う。
 県基地対策課は「一歩間違えば重大な事故につながりかねない。安全対策を徹底させてほしい」と話した。
 米海兵隊は「警告灯が点灯したため予防着陸した。出火の原因はホットブレーキ(ブレーキの異常加熱)で、けが人はいない。機体の損傷は限定的」と発表した。
英文へ→AV-8B Harrier II catches fire after emergency landing at Kadena Air Base