台湾企業に沖縄投資熱 ホテル、不動産取得


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台湾の和昇休間開発が取得した石垣市宮良にある宿泊施設(和昇休間開発提供)

 台湾から沖縄への投資が相次いでいる。那覇市・国際通りの国映館跡地を取得、ホテル建設を計画する台湾大手セメント会社の嘉新水泥(台北市)をはじめ、台湾国内外でホテル運営などを手掛ける和昇休間開発(同市)は2013年11月に石垣市宮良にある宿泊施設を取得し、運営する。

さらに日本の不動産を売買・仲介する東京喜瑞不動産(同市)もこのほど、初めて台湾で沖縄の物件の投資セミナーを開いた。県内への外国人観光客の急増に加え、カジノ導入や米映画テーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の進出を見越し、沖縄への投資熱が高まっている。
 「沖縄は豊かな自然があり、カジノやUSJ進出も有望なため、将来性がある。セミナーの反響は大変良かった」と東京喜瑞不動産の蔡葭碧(さいかへき)社長は満足した様子だ。同社は恩納村など県内リゾート地のマンションや分譲ホテルを取り扱い、台湾で初めて沖縄の物件を販売する不動産会社。9月に第1回沖縄投資セミナーを開き、2件成約があった。
 昨年11月に、台湾企業として初めて石垣市の宿泊施設「沖縄琉球石垣島・清風会館」を取得・運営する和昇休間開発。同社は傘下の海都假期旅行会社を通して、台湾の観光客を石垣島の宿泊施設へ送り込んでいる。秦學基(しんがくき)社長は「沖縄は台湾に近く、団体旅行の費用も日本の他地域より安い」と進出の理由を語る。今後の展開については「施設が足りなければ、さらなる施設の購入を検討する」と述べた。
 一方、Webサイト「易飛網(ezfly)」を運営する台湾大手旅行会社の易飛網国際旅行社(台北市)は県内ホテル買収に加え、団体客用の大型バスの購入も視野に入れる。同社の周育蔚(しゅういくい)社長は「沖縄は台湾にとって最も近い日本だ。リゾート型観光地でもあり、ゴルフツアーに最適な旅行地だ」と沖縄の魅力を語った。(呉俐君)

※注:和昇休間開発の「間」は「日」が「月」