伊江「弁当の日」工夫いっぱい 自立思い児童手作り


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自分で作った弁当を誇らしげに見せる伊江小学校5年生と担任(前方)=20日、伊江村の同校

 【伊江】献立、買い出し、調理、片付け(帰宅後に弁当箱も洗う)までの行程を全て子どもが行う「弁当の日」。昨年6月、伊江村学力向上推進委員会家庭教育部会(玉城盛栄部長)が、村学力推進大会で、高校進学など島を離れる子どもの「自主自立」を目指す取り組みの一つとして、「弁当の日」を提案。その「弁当の日」が20日に実施された。

 児童、生徒らは、学年ごとなど校舎の外や校内で輪を作り、弁当を食べるほほ笑ましい光景が見られた。伊江中学校の全教職員も自分で弁当を作った。
 西小学校5年生は「弁当の日」を前に、同校の保護者などで構成する「耳薬サークル」の読み聞かせの時間に保護者が、「弁当の日」の提唱者、竹下和男氏の著書で「泣きみそ校長と弁当の日」を読み、児童の意識向上を図った。5年生は弁当の設計図も描いた。
 田本海翔君(伊江小5年)は、祖母の畑で母と一緒にジャガイモを掘り、コロッケを作った。知念是路君(伊江中1年)は、自分で釣ったボラをフライにした。魚の開き方は祖父に習ったと話す。玉城真妃呂さん(西小6年)は、ハロウィーンをテーマにかぼちゃのお化けの形をしたおにぎりを作り、誇らしげだった。
 提案から1年を振り返り玉城部長は「子どもたちの意識が定着し、心の余裕も見える。島立ちに向けて、今後も家族のコミュニケーションを増やしてほしい」と話した。
(中川廣江通信員)