吉本興業拠点構想 沖縄エンタメを海外へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 吉本興業(大阪市、大崎洋社長)は29日、宜野湾市に設置を計画しているエンターテインメント(娯楽)の人材育成拠点の全容を明らかにした。「沖縄エンターテインメントビレッジ構想」として、人材育成に加えてライブコンテンツ(内容)の創造やアジアなど海外公演も視野に入れている。

県立普天間高校が移転した場合の跡地利用を想定し、2020年の完成を目指す。完成まではサマースクールなども実験的に進めていく。併せて沖縄三越跡の活用で劇場のほかに「お化け屋敷」を併設する方針も明らかにした。
 既に国や県、宜野湾市と話し合いを進めており、今後本格化させる。大崎社長は「エンタメ産業創出の拠点を全島でできないかと考えている。国内やアジア各国の人に集まってもらい、エンタメを通じて仕事を得ていくことで産業の創出にもなる。世の中にない、沖縄にしかないものを目指す」と全島規模での展開にも意欲を見せた。
 育成拠点は普天間高校の既存施設を活用し、校舎を実習室などに、体育館をダンススタジオに利用する。運動場には野外ステージや古民家などのオープンセット、アスレチックパークも想定しており、観光施設としての機能も持たせる。
 ダンススクールでは、ブロードウェーで活躍するヒントン・バトル氏を招く計画。そのほかミュージシャンの坂本龍一氏にも打診する方針。伝統芸能との協業(コラボ)も想定している。
 三越跡は150席以上の劇場を予定する。沖縄の芸人との協業も想定している。そのほか4~6階部分で展開する「お化け屋敷」にはタレントの木村祐一さんも構想に加わる。大崎社長は「びっくりしながらも思わず笑ってしまい、出た後に幸せな気分になれるようなお化け屋敷を考えている。パッケージにして国内外に出していければいい」と話した。
 併せて宜野湾市を拠点に有料放送「スカパー!」専門チャンネルを12月1日から開始することも発表した。

※注:大崎洋社長の「崎」は、「大」が「立」の下の横棒なし

普天間高校と周辺を活用した、吉本興業沖縄エンタメビレッジのイメージ(クリックで拡大)