「働きたい」将来に意欲 沖縄高等特支校が就業体験


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レジで来店客とやりとりをする沖縄高等特別支援学校3年の伊集禎文君(右)=23日、南城市知念久手堅の「がんじゅう駅・南城」

 県立沖縄高等特別支援学校(うるま市、與那覇広次校長)は9、10月にかけて全校生徒を対象に就業体験を実施している。それぞれの生徒に、働くことを通して将来へのイメージを深めてもらうだけでなく、障がい者雇用に対する企業側の理解も促している。

 卒業後は多くの生徒が就職を希望しており、学校創立以来、毎年就業体験を実施している。
 3学年41人は14日から24日まで、県内各地38事業所で就業体験を行った。南城市観光協会では、伊集禎文君(17)=南城市=が就業体験した。23日は同市知念久手堅の南城市地域物産館「がんじゅう駅・南城」内の売店で、レジ対応や商品陳列などを担当した。「卒業後はとにかく働きたい。自力でお金をためて親孝行がしたい」と話す。
 担当者からの声掛けがきっかけとなり、今回初めて同校からの就業体験を受け入れた南城市観光協会の宮城光也事務局長は「伊集君はまじめで一人前に仕事をしてくれる」と太鼓判を押す。「さまざまな人々と連携して地域雇用を創出していきたい。就業体験を通して(こちらとしても)多くの連携をつくり出せる」と意義を語った。
 2学年も27日から11月7日まで就業体験を行っている。29日、県庁内の県雇用政策課で書類整理などを担当した中村綾香さん(17)=粟国村出身=は緊張した様子ながら「大変だけど楽しい。将来に向けてさまざまな業種を体験したい」と今後を見据える。同課の金城智子主査は「指示も分かってくれるし大きなミスもない」と話した。