県内の高年齢労働者1.8倍に 常用の1割、2万2千人


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60歳以上の常用労働者の推移

 県内の従業員31人以上の企業1601社で働く正社員ら常用労働者のうち、1割に当たる2万2031人が60歳以上の「高年齢労働者」であることが1日までに、沖縄労働局のまとめで分かった。統計のある2009年からの5年で約1・8倍に増えている。

少子高齢化の進行に加え、労働者が65歳まで働ける制度の導入を義務付けた高齢者雇用安定法の効果もあり、今後高年齢労働者のさらなる増加が見込まれそうだ。
 沖縄労働局が14年6月1日現在の高年齢者の雇用状況を調査した。厚生労働省がまとめた全国の調査では、60歳以上の常用労働者数は287万2千人で、09年の約1・3倍。沖縄は全国と比較して高年齢労働者数の伸び率が高くなっている。
 31人以上の県内企業の高年齢労働者数(14年)を年代別に見ると、60~64歳が1万4924人、65~69歳が4849人、70歳以上が2258人となっている。同局は将来の労働力人口の低下を見据え、「年齢に関わりなく働ける社会の実現に向け、65歳までの雇用確保を基盤に70歳まで働ける企業の普及、啓発に取り組む」と積極的な高齢者雇用を推奨している。
 一方、高齢者雇用安定法に基づき定年の廃止や引き上げ、継続雇用制度の導入など、従業員を65歳まで雇用するための措置を導入している県内企業の割合は14年6月末現在で全国ワーストの94・8%で、全国平均の98・1%を3・3ポイント下回った。
 企業規模別では31~300人の中小企業で94・4%(1493社)、301人以上の大企業で99・1%(108社)だった。希望者全員が65歳以上まで働ける企業は1065社(中小企業1008社、大企業57社)で66・5%だった。
 沖縄労働局によると、高年齢者雇用確保措置を導入した企業数は13年6月末現在と比較すると10・2ポイント改善したものの、法に基づけば100%にする必要がある。
 同局は「未実施企業への個別指導を強力に実施し、早期解消を図る」としている。