FC琉球逃げ切り7位 U22に4―2


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前半38分、グラウンダーのクロスに合わせて2得点目を決めるFC琉球のFW中山悟志=2日、沖縄市陸上競技場(田盛良一撮影)

 サッカーJ3のFC琉球は2日、Jリーグ・アンダー22(U22)選抜と沖縄市陸上競技場で第30節を戦った。FW中山悟志の2ゴールなどで4点を挙げ、4―2で勝利した。7試合ぶりの白星で、ホーム戦の勝利は6月22日のブラウブリッツ秋田戦以来、4カ月ぶり。

試合は「全島サッカー1万人祭り」の一環として行われ、観客は今季最多の5163人だった。琉球は8勝10分け12敗で勝ち点34。順位を一つ上げて7位になった。次戦は9日午後4時、町田ゼルビアと東京都町田市立陸上競技場で対戦する。

琉球(8勝10分け12敗)(34)
 4―2(2―0,2―2)
U22選抜(8勝5分け17敗)(29)
▽得点者【琉】中山2、藤澤、青木【U】平岡、和田

 【評】FC琉球が序盤から積極的に攻め、リズムをつかんだ。前半14分、中山がコーナーキックに合わせて先制すると、同38分にも2点目を挙げた。後半に2失点を許すが、いずれもその直後に追加点を挙げて流れを渡さなかった。終盤には5バックで守備を厚くし、逃げ切った。(荒井良平)

◆中山 奮起の2得点
 これまで沈黙を続けてきた攻撃陣が「全島サッカー1万人祭り」の舞台で爆発した。今季最多タイの4得点で5千人超のサポーターに応え、4度目の1万人祭りで初めての白星をもたらした。2得点を挙げたFW中山悟志は「やっと勝ちをプレゼントできてうれしい」と勝利の喜びをサポーターと分かち合った。
 リーグ6戦で勝利なし。U22選抜には前回0―6で敗れた。ホームで4カ月以上勝っていない―。どうしても勝ちが必要だった。「負けられない戦い」に気合が入った。直近の3試合のシュート数は平均5本。薩川了洋監督から「シュートを打たなくては何も始まらない」と苦言を呈されていた。試合前、中山を中心に「積極的に打っていこう」と話し合った。その言葉通り、序盤からミドルシュートを放ち、攻撃のリズムをつくっていった。
 前半14分、左からのコーナーキックがファーサイドの中山へ。マークが付いていたが「かぶり(ボールが頭上を通過し)そうだった」と冷静に軌道を見極めた。空中で競り合わずに落下点に入ると、頭でボールを真下にたたきつけた。前半38分にはグラウンダーの速いクロスに飛び込み、2得点目を挙げた。
 「チームとして勝ちたい気持ちが前面に出ていた」と中山。「これを機にもっと点が取れるようにしたい」と残り3戦に闘志を燃やした。(荒井良平)

◆勝利に上機嫌 薩川監督、攻撃陣評価
 「よっしゃー、勝った。久々に機嫌がいい」。全島サッカー1万人祭りでの初勝利を挙げたFC琉球の薩川了洋監督は試合後の会見でも終始、にこやかだった。
 決定力不足に悩まされていた攻撃陣が4点を挙げたことを「前半から積極的にシュートも打っていったし、よく勝ってくれた」と評価。「たくさん来てくれたサポーターに感謝しつつ、選手にも感謝したい」とたたえた。
 リーグ戦も残り3試合。「負けないサッカーができるようになってきた。この勝ちで、勝てるチームに変化してくれたら」とさらなる奮起を期待した。