基地負担、沖縄と重ね 演劇「そう遠くない」


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基地に翻弄される人々を描いた「非・売れ線系ビーナス」の演劇「そう遠くない」=那覇市のわが街の小劇場

 福岡県の劇団「非・売れ線系ビーナス」の沖縄の米軍基地問題を題材にした演劇「そう遠くない」(脚本・田坂哲郎、演出・木村佳南子)が15、16日、那覇市のわが街の小劇場であった。

 田坂は母親が沖縄出身。9月から宮崎、熊本、長崎で上演した作品。かつて牧場だった基地を見下ろすように建つ喫茶店を訪れる人々を中心に描かれる。
 新型軍用ヘリの着陸に反対し、座り込む人々と、その混乱を鎮めるために派遣された人々。架空の戦争をきっかけに基地が駐在するなど、時折流れるヘリの騒音、基地負担が押し付けられていることなど、沖縄の現状と重なる部分を訴えた。
 「見えないものが見える」、逆に「見えるものを見ようとしない」と負担を現地の人に押し付けようとするメッセージが観客の心に深く刻まれた。
 出演は田坂、木村のほか、柳暁子、ケニー、遠矢美咲、稲田小百合、ぽち。