ヌチドゥタカラの家 開館30年、非戦誓う 伊江


社会
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反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」の開館30周年を祝う参加者=8日、伊江村東江前、反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」

 【伊江】伊江村東江前にある一般財団法人わびあいの里の反戦平和資料館「ヌチドゥタカラの家」(謝花悦子館長)は8日、開館から30年の節目を迎え、「記録映像の上映と証言の集い」を開催した。

村内外から開館当時に携わった関係者や故阿波根昌鴻さんが残した膨大な数の資料を調査している調査会のメンバーら約35人が集まり、30年間の歩みを振り返った。
 反戦平和資料館は戦後米軍の銃剣とブルドーザーによる土地接収を受け、生涯を平和運動にささげた阿波根さんが83歳の時に開館した。館内には戦争遺物や土地を守る闘いの記録、写真、新聞など多数が展示され、平和学習で修学旅行生らが訪れている。
 会は30年前の開館式典が行われた同時刻の午後2時に合わせて進められた。わびあいの里の施設内には、同館の落成式や建設当時の写真などが展示され、阿波根さんが館内の展示物を説明している様子などの記録映像が上映された。
 開館式典の映像では平和を願う阿波根さんの思いや同館の名前の由来、「なによりも命が大切」と訴える映像が映し出された。上映後は参加者と共に当時を語り、戦争体験者の参加者からは怒りの声もあった。謝花館長は「人災である戦争をなくすために、共に頑張りましょう」とあいさつした。(中川廣江通信員)
英文へ→Nuchi-du-Takara-no-Ie celebrates 30th anniversary