ヤブチ洞穴から縄文土器 関係者「6千年前知る史料」


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 【うるま】うるま市教育委員会が行っている市与那城・薮地(やぶち)島のヤブチ洞穴発掘調査で、19日までに縄文土器「爪形文土器」の破片や石斧(せきふ)、貝鏃(かいやじり)などが多数出土した。炉の跡とみられる遺構も発掘された。出土層から約2500~6千年前のものとみられる。関係者は「爪形文土器や石器のほか、動物の骨や貝殻などが同じ場所から出てきた事例はまれだ。6千年前の生活を知る貴重な史料になる」と話した。

 調査は11月初旬から今月末までで、洞穴内の3カ所を発掘している。爪形文土器を含む人工遺物の出土は、洞穴の開口部周辺に分布している。
 ヤブチ洞穴の発掘調査は1960年に行われた。石器などが出土した記録はあるが写真史料が残っていない。市文化課の横尾昌樹さんは「下層からさらに古い年代の土器などが出土する可能性が予想される」と期待した。
 薮地島は与勝半島と橋でつながっている無人島。ヤブチ洞穴は「ジャネーガマ」とも呼ばれている。

ヤブチ洞穴から出土した石斧や貝鏃、動物の骨など(うるま市教育委員会提供)
ヤブチ洞穴遺跡