共生社会条例に解説書 当事者ら、4月発刊目指す


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日常生活での課題に対してどのように条例を活用するか話し合う第2回合同合宿の参加者ら=21日、西原町の琉球大学

 ことし4月に施行された「県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例(共生社会条例、インクルーシブ社会条例)」について、条例の意義や内容を広く理解してもらおうと、当事者らが条例の解説書作りに取り組んでいる。解説書では、条文を誰もが分かりやすく理解できるよう紹介するほか、活用例なども盛り込む方針で、来年4月の発刊を目指している。

 解説書は、条例制定に取り組んだ、当事者らでつくる「障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会」が中心となって編集作業を進めている。
 条例では、共生社会の実現のため福祉サービスの提供や雇用、教育など日常生活のあらゆる場面で、障がいを理由にした差別を解消することを目的としている。しかし、同会は条例の趣旨が十分広まっていないとして、9月に編集プロジェクトを立ち上げた。月に2、3回のペースで編集委員会を開いている。
 解説書では、当事者の抱える課題解決に向けた条例の活用例なども明記することを考えており、編集プロジェクトでは当事者らによる「合同合宿」を開き議論を進めている。20、21日に西原町の琉球大学で開かれた第2回の合宿では、福祉サービスや教育、医療サービスなどの各分野で、これまでに当事者が経験した事例を基に、どのように条例を活用していくかを話し合った。
 編集作業を進める「条例づくりの会」の長位鈴子代表は「難しい解説書ではなく、障がいのある人が生きる意味を考え、どうしたら住みやすくなるのかを考えるような解説書にしたい」と意気込んでいる。
 同会では解説書発刊の資金造成への協力を求めている。問い合わせはNPO法人県自立生活センターイルカ(電話)098(890)4890。