県内酒気帯び運転摘発者 8割が基準大幅超


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酒気帯び運転での摘発で、0.25ミリグラム以上のアルコールが検知された割合

 ことし1月から10月末にかけて、県警に酒気帯び運転で摘発された人の約8割が逮捕時に基準値を大きく上回る0・25ミリグラム以上のアルコールが検知されていたことが県警のまとめで分かった。沖縄を除く全国平均は約6割。全国と比べ、沖縄県民が多量に飲酒した上で、車を運転している実態が明らかになった。

酒気帯び運転の基準値は呼気1リットル中0・15ミリグラム。県警は「飲酒運転は絶対に駄目だ。節度を持って酒を飲み、深酒した翌日は車の運転を控えてほしい」と呼び掛けている。
 ことし10月末の飲酒運転(酒酔い、酒気帯び)での摘発件数は1016件。うち、酒気帯び運転の摘発件数が995件と多数を占めた。酒気帯び運転での摘発のうち、0・25ミリグラム以上のアルコールが検知されたの847件で、飲酒運転全体の83・3%を占めた。0・25ミリグラム未満は148件で14・5%。酒酔い運転での摘発は21件で、全体の2%。一方、全国平均は、0・25ミリグラム以上が63%で、0・25ミリグラム未満は34・9%だった。
 2009年以降の過去5年間についても、全国平均と比較すると、13年を除き、毎年約20ポイント以上の差がついている。九州平均(沖縄除く)と比べても、大きく差をつけられており、恒常的に沖縄県民が多量に飲酒し、車両を運転している実態が浮き彫りになった。
 一方、県警によると、14年11月末までに発生した交通死亡事故(31件)のうち約25・8%(8件)が飲酒絡みの事故で、全国平均(6・6%)の約4倍に上る。人身事故も5727件のうち1・8%(103件)が飲酒絡みで、全国平均(0・76%)の約2・4倍。いずれも現時点で、すでに全国最低で、このままのペースで推移すれば、人身事故では25年連続、死亡事故では2年連続で全国ワーストになる可能性が非常に高い。
 県警交通部の與儀淳管理官は「年末年始は飲酒の機会が増えるが、絶対に飲酒運転はしないでほしい。飲酒運転は本人だけではなく、家族やその周りも全て不幸にする。また、多量に飲酒すると翌日も体内にアルコールが残り、結果、二日酔い運転になる」と警鐘を鳴らした。