大宜味、東で赤土対策 WWFJが計画 本島で初めて


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)ジャパンは2015年1月から大宜味、東の両村と環境保全活動団体などと連携して赤土対策プロジェクトを始める。WWFジャパンが、赤土削減の数値目標を設定し優先的に対策が必要な農地選定などの情報を提供する。WWFジャパンが本島で赤土プロジェクトを実施するのは初めて。

 プロジェクトには行政や調査機関、農業団体、環境保全活動に取り組む現地団体、観光推進協議会などが参加する。最終的に協議会を発足させ、地域が一体となって環境保全に取り組む体制を構築する。
 東村の慶佐次川河口域には国の天然記念物に指定されているマングローブが広がる。大宜味村にはカキの養殖が始まった場所として有名な汽水域を擁した塩屋湾がある。しかし開発工事や開墾によって赤土が流出し、河口や湾が土砂で埋まるなど自然環境が悪化している。
 WWFジャパンは、09年から3年間、久米島で赤土削減プロジェクトを実施した。久米島で培ったノウハウをやんばる地域にも広げることで交互の協力ネットワークを構築する。
 赤土流出対策などに取り組む大宜味村地域耕作放棄地対策協議会の前田貞夫会長は「住民、農家、漁業者みんなで環境を守ろうという意識付けをしたい。きれいな塩屋湾を取り戻すことで地域活性化につなげられる」とプロジェクトに期待した。
 11月下旬に大宜味村で、同村や近隣市町村の行政関係者、農業関係者、漁民ら約30人が集まり第1回交流会を開催した。WWFの久米島プロジェクトをはじめ、県内全域で実施されている赤土流出対策活動が紹介された。東村でも来春、交流会を予定している。
(上江洲真梨子)