県内水難事故、過去10年で最多 観光客増、台風が要因


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過去10年間の船舶事故数と人身事故数

 第11管区海上保安本部は5日、2014年に管内で発生した船舶事故と人身事故の発生状況(速報値)を発表した。

人身事故者数は195人で前年より31人増えた。死亡・行方不明者は67人で昨年より5人増となった。船舶事故隻数は103隻で前年より30隻増加した。人身事故者数と船舶事故数はいずれも過去10年間で最多となった。11管は、観光客の増加のほか、大型台風の襲来も件数を押し上げる要因となったとみている。
 人身事故のうち最も多かったのが、マリンレジャーに伴う海浜事故で96人だった。死者は28人。その内訳では遊泳中の事故が最多の56人と全体の6割を占めた。傾向として、観光客が被害に遭うケースが多く、全体の約6割(57人)を占めた。死亡者の年代別では、60代以上の高齢者が最も多く11人だった。11管担当者は「遊泳する場合は、必ずライフジャケットを着用してほしい」と呼び掛けている。
 船舶事故では、プレジャーボートが39隻と最多で、次いで漁船が31隻だった。プレジャーボートと漁船で全体の約7割を占めた。台風下における船舶事故が前年より6隻増加したことで、全体の事故件数を押し上げた。事故原因は、見張りが不十分だったことや整備不良など人為的要因に起因するものが82隻と、全体の8割を占めた。11管は今後、船舶への指導を徹底するほか、講習会などを通じて、注意を呼び掛ける。担当者は「今後、より詳細に事故原因などを分析し、よりよい対策を講じていきたい」と話した。