県内バス3社、定期券4割値上げ 燃料費高騰など理由


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沖縄バス、琉球バスの定期券購入料金の改定案

 沖縄バスと琉球バス交通が2月1日から定期券価格の算定基準を見直すことにより、約4割値上げすることが6日までに分かった。燃料費高騰などを理由として、両社は昨年12月中に沖縄総合事務局に運賃値上げの申請を済ませた。東陽バスは12月1日から定期券の価格を値上げしている。

 那覇バス(旧那覇交通)を除く本島内のバス事業者は2004年以降、バス利用促進のため、定期券購入額を算定する1カ月の基本推定乗車回数を60回から42回に減らして値下げした。しかし、円安などの影響で10年前に比べ、燃料費が約2倍になり経営を圧迫しているとして、今回04年まで適用していた60回に戻すことにした。その結果、利用者にとって値上げになる。
 3割引の通勤定期券で片道500円区間を利用した場合、1カ月の定期料金は1万4700円から2万1千円、同区間の通学定期券(4割引)は1万2600円から1万8千円となる。
 琉球バス交通の担当者は「経費削減に努めたが、ノンステップバスの導入など社会福祉サービスへの投資や輸送人員の減少もあり、42回の推定乗車回数の維持が困難となった」と説明した。
 沖縄総合事務局運輸部は「(推定乗車回数が)60回というのは全国では標準的だ。バス事業者は利用者へしっかり説明して、安定運行に努めてほしい」と話した。バス利用を推進している県交通政策課は「今後も利用普及を呼び掛けていく。具体的な対策については総合事務局などと相談し、検討していきたい」と語った。(佐々木健)