10代の献血、減少続く 13年度は平成最多時の2割


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年齢別献血者数の年度推移(県内)

 若年層の献血が減少傾向を続けている。2013年度の10代の献血者は3409人、20代は1万1021人で、平成に入って最多だった年度のそれぞれ約2割と約4割まで落ち込んでいる。県薬務疾病対策課は原因として少子高齢化の影響とともに「昔に比べ高校での集団献血が減少したことや、献血に関心がない若者が増加しているのではないか」としている。

県や県赤十字血液センターなどは高齢化により医療現場で用いる血液製剤の使用量は増加していくとみており、若年層の「献血離れ」に危惧を示している。
 10代の献血者は平成に入って以降最多だった1990年度(1万6971人)を境に減少傾向を続け、2003年度には5千人を割り込んだ。06年度以降は3千人台で推移している。
 20代は1991年度(2万6263人)をピークに減少が始まり、2009年度には1万5千人を切った。以降も減少が続いている。
 献血できるのは16~69歳。40代以上の献血者数は増加傾向にある。そのため若年層が減少する中でも1996年度以降、献血者数全体は5万人台で推移している。
 県や日本赤十字社県支部は新成人を中心に献血への協力を呼び掛ける「はたちの献血」キャンペーンを1日から始めている。9日には那覇市久茂地のパレットくもじ前で街頭啓発活動を行った。新成人へ向けてメッセージを送った琉球ゴールデンキングスの山内盛久さんは「一人一人の優しさがたくさんの命を救う。新成人には新たな人生のほんのわずかな時間を、血液を必要としている人に分けてみて」と献血を呼び掛けた。
 キャンペーンは2月28日まで行われ、大学生を中心にした街頭活動や高校での献血教室開催などにより、献血の普及を図る。