「自殺考えた」16% 「1年内」21% 県調査中間報告


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 県が自殺対策の基礎資料とするため県内の20歳以上の男女を対象に初めて実施した「自殺対策に関する県民の意識調査」の中間報告によると「本気で自殺したいと考えたことがある」と回答した人が全体の16・3%に上った。

うち21・6%は「最近1年以内に自殺したいと思った」と回答している。県は本年度中に回答者全体の詳細な集計や分析を進め、自殺者減少対策につなげたいとしている。
 調査は2014年11~12月に実施した。対象者は県内在住の成人男女約2500人で、現時点で約1600人から回答を得た。中間報告はうち1500人分を集計してまとめ、1月21日に行われた有識者や医療関係者らが集まる会議で提示された。設問は悩みやストレス、鬱(うつ)への認識や相談窓口の認知度などに関する81項目。
 1年以内に自殺したいと思った245人に「どのようにして(自殺せずに)乗り越えたか」と質問すると「趣味や仕事などで紛らわせるように努めた」が99人で最も多く、「家族や友人、職場の同僚など身近な人に悩みを聞いてもらった」が88人と続いた。
 内閣府が12年1月に全国で実施した「自殺対策に関する意識調査」によると、回答者の23・4%が自殺したいと思ったことがあるとしており、そのうちの22・7%が1年以内に思ったことがあると回答している。
 警察庁統計(速報値)では14年の県内の自殺者総数は278人。1998年以降300~400人台で推移していたが、12年からは200人台となり、減少傾向にある。