HIV・エイズ最多33件 検査、人口比で全国一


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県内のHIV感染者・エイズ患者対策について話し合う協議会委員ら

 2014年の県内HIV感染者・エイズ患者の報告数が33件に上り、統計開始以来最多だったことが、4日に開かれた行政や医療機関の代表者らで構成する県エイズ対策連絡協議会で報告された。

保健所からの報告件数13件で前年の2倍以上になったことなどから、県は増加要因の一つに報告数が多い男性同性愛者を中心とした保健所での検査呼び掛け推進があるとの見方を示した。HIVが進行してエイズ発症となる。報告数内訳はHIV22件、エイズ11件。今までの最多は07年の32件(HIV24件、エイズ8件)だった。13年の保健所での人口10万人当たりの検査件数は170件で全国最多だった。
 県内のエイズ中核拠点病院、琉球大学医学部付属病院の健山正男医師は同院の患者分析などを踏まえて、検査遅れの結果として中年以降の女性や離島・へき地の患者らはエイズ発症に至っている割合が多いと指摘した。保健所ではエイズ発症まで診断しないことを挙げながら「症状に合わせてデータを収集することが医療資源が少ない県内では重要だ」と述べた。