神経再生促すタンパク特定 脊髄損傷の治療に期待


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 名古屋大のグループが、血管や神経が通っているヒトの歯髄から採取した「間葉系幹細胞」の分泌物を分析し、傷ついた神経の再生を促す2種類のタンパク質を特定した。脊髄を損傷したラットの患部に投与すると、歩行機能が回復したという。11日に米科学誌電子版で発表した。

 脊髄損傷は有効な治療法が開発されていない。グループの山本朗仁准教授(再生医学)によると、幹細胞そのものを移植する研究が進められているが、細胞が定着しにくく、腫瘍形成のリスクもある。今回のタンパク質を使えば、移植に頼らず、自己再生を促す新手法の開発が期待できるという。
(共同通信)