県平和祈念資料館は11日、沖縄戦を体験したハワイの日系2世らの証言を紹介する成果報告展「日系二世が見た戦中・戦後 母国と祖国の間で」を那覇空港国内線旅客ターミナルビル2階で開催した。15日まで。
糸満市の同資料館では3月21日から6月まで展示する。県は本年度、「日系米国人版戦争体験収集事業」を実施した。住民に投降を呼び掛けた米軍通訳兵、戦後米兵になった沖縄戦体験者ら日米の間で翻弄(ほんろう)された20人の証言を収めた。多くの観光客が体験を紹介するパネルを読み、証言映像や写真などにも見入っていた。
報告展は21日から横浜市のJICA横浜を皮切りに、羽田空港国際線ビルでも実施する。担当の功刀弘之さんは「観光客の全てが沖縄戦や平和を学ぶために沖縄を訪問するとは限らない。多くの人が訪れる空港などで実施することで、関心を抱くきっかけになってほしい」と説明した。
神奈川から観光で訪れた渡辺大輔さん(25)は今回で5回目の沖縄訪問。「戦争体験者たちの苦しみや複雑な状況を学ぶことができた」とパネルを熱心に読んでいた。
※注:功刀弘之さんの「功」は、「力」が「刀」