政治

米ジュゴン訴訟、棄却 連邦地裁「工事中止の権限なし」

 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米サンフランシスコ連邦地裁は13日、名護市辺野古海域の絶滅危惧種ジュゴンの保全や、普天間飛行場代替基地建設差し止めをめぐって争われている米ジュゴン訴訟で、原告の訴えを棄却した。AP通信が伝えた。原告は上訴する方針。

エドワード・チェン判事は「この裁判所は、条約上の義務として日本政府と協力して進めようとしている基地建設を禁じる権限を持っていない」と棄却の理由を述べ、被告の米国防総省側の主張を採用した。
 2003年に始まったジュゴン訴訟は08年、米国防総省に米国家歴史保存法(NHPA)の順守を義務付け、ジュゴン保全指針を求める中間判決が出た後、休止していた。一方、国防総省は14年4月に「ジュゴンへの影響はない」と結論付けた報告書を連邦地裁に提出した。報告は日本政府による環境影響評価(アセスメント)を踏襲した内容。提出を受け、審理は同年12月に7年ぶりに再開した。
 国防総省は建設計画について、外交や防衛問題には司法が介入できないと米国憲法が定めた「ポリティカル・クエスチョン・ドクトリン(PQD)」の適用事例だと主張し、棄却を求めていた。
 一方、原告側は「ジュゴンを保護する適正な手続きを取ること自体が、国家の安全保障を脅かすわけではない」と主張し、NHPAに沿った手続きが取られるまで建設作業を事実上中断するよう求めていた。
 国防総省はまた「利害関係者」との協議などで「ジュゴンへの影響を考慮する手続きは終えた」と説明しているが、「PQDの適用事例」と主張していることを理由に、その具体的内容は明らかにしていない。
 原告側の弁護士で、日本環境法律家連盟の籠橋隆明氏は14日、「沖縄の政治的状況が緊迫したことが、判決に影響していると思う。ただ、こちらとしてはそこ(基地建設差し止め)に踏み込まないことには訴訟の意味がなくなる」と話している。



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