新石垣空港、のり面崩壊 市民団体が問題視


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 【東京】八重山・白保の海を守る会の生島融事務局長は19日、国会記者会館で会見し、2013年3月の開港から半年間で新石垣空港ののり面3カ所が陥没するなど崩壊していたと発表した。守る会は滑走路崩壊の前兆とし、新空港の供用を早急に停止し、旧空港を使用するよう求める873人分の署名を同日、県に郵送した。

 県に行った公文書開示請求で明らかになった。のり面が崩壊したのは国の完成検査で発見された内陸側、空港南の内陸部分、海側に面した部分の3カ所。特に海側部分は50メートルにわたり、6カ所が崩壊した。最も深いもので1メートルの深さで陥没している。守る会は新空港の下を流れる地下水の流出で生じたとし、滑走路崩壊の前兆と問題視している。
 新石垣空港建設の際に、県の委託で洞窟調査を実施した沖縄鍾乳洞協会の山内平三郎理事長は「海側は行き場を失った地下水の水面が上がって崩壊したと考えるのが最有力だ。今後も起こる可能性が高い」と強調した。
 一方、県は空港南と海側については、石を敷くなど修復工事をすでに終了している。県八重山土木事務所の担当者は「雨水による浸食で一部が崩れた。陥没ではない。1年前に崩れた箇所に石を積めたりして表面を保護する工事で修繕した。その後は崩れている様子もない」と地下水による陥没を否定した。