共同墓地から遺骨 宜野座の戦後収容所で死亡か、墓石も


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 【宜野座】宜野座村惣慶の「スンブク原共同墓地」で28日、戦後収容所などで亡くなった人のものとみられる遺骨の一部が見つかった。墓石も新たに3基発見された。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」が宜野座村立博物館と連携して行った調査で確認した。同共同墓地の調査で遺骨が発見されたのは初めて。遺骨と墓石の発見で共同墓地の正確な位置が明らかになった。

 見つかった骨は大腿(だいたい)骨の一部と思われるもので長さ10センチ、幅2センチの円柱状。ガマフヤーの具志堅隆松代表によると、骨の大きさや細さから子どもか女性のものとみられる。かまぼこ状の盛り土から1メートルほど南西で地表90センチの深さに、水平の状態で見つかった。近くで割られた墓石が見つかったが、周りに別の骨はなかった。具志堅代表は「墓石を割るのは遺骨を収集した印だ」と指摘。村教育委員会文化財担当の田里一寿主任も他に骨がなかったことを受け、「既に遺骨を取りに来た家族が取り残した骨かもしれない」と話した。
 墓石は2014年10月に1基が発掘されて以降、28日までにさらに3基が見つかった。墓石には名前や住所などが書かれていた。
 同共同墓地の調査は、博物館が測量などで記録を取りながらガマフヤーが遺骨収集を進めるというもので、14年10月から始めている。今回の収集結果も記録として博物館に提供する。
 具志堅代表は「北部地区の収容所で亡くなった人の遺骨収集が遅れており、遺族の元に届いていない遺骨も多い。戦後処理がまだされていない。県も責任を持って遺骨収集に向けた本調査をやってほしい」と要望した。

共同墓地とみられる場所で見つかった骨(手前)と墓石=28日、宜野座村惣慶
遺骨が見つかった共同墓地