江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎が46歳のころ手掛けた肉筆画の傑作で、明治期から100年余り所在不明だった絵巻物「隅田川両岸景色図巻」が4日までに見つかった。東京都墨田区が発表した。
1805(文化2)年の制作で、縦28・5センチ、長さ633・5センチ。北斎研究の第一人者で、鑑定を担当した同区芸術専門員の永田生慈さんは「陰影を用いた独特の描写は、北斎の他の肉筆画には見られない。制作年など判明している点でも貴重で、色彩や表具の保存状態もすばらしい」としている。
墨田区は都内の美術商から近く購入し、来年秋にも開館する「すみだ北斎美術館」で一般公開する方針。
(共同通信)