「旧國場家住宅」国文化財に 沖縄建築の変遷残す


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登録有形文化財(建造物)への登録を答申された「旧國場家住宅主屋」北側(県教育庁提供)

 国の文化審議会(宮田亮平会長)は13日、恩納村の「旧國場家住宅主屋」を登録有形文化財(建造物)とするよう下村博文文部科学相に答申した。近く答申通り告示される。県内の登録件数は78件となる。

 旧國場家住宅主屋は、1930年に国場組の創業者である国場幸太郎氏が自らの設計監理で父の幸直氏のために建てた邸宅。当初は国頭村浜にあったが、2011年に恩納村の「琉球村」内に移築・復元された。
 赤い琉球瓦を使用した伝統的な沖縄建築の家屋に、当時には見られなかった玄関、庇(ひさし)、ガラス戸など近代的な建築部分が備わっており、昭和初期における沖縄建築の変遷を知ることができる。中廊下や10畳を超える一番座(客間)があることも特徴だ。
 国場幸太郎氏が創業した国場組(那覇市、国場幸一社長)は「創業者が家族のために手掛けた家が登録されることになり、建設業に携わる企業として非常に喜ばしく思う。大切に保存していただいた関係者の皆さまに感謝申し上げたい」と喜びのコメントを発表した。