県内の人権侵犯増506件 多い家族間の暴行、虐待


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 那覇地方法務局は13日、2014年の人権侵犯事件の受理状況を発表した。総受理件数は506件で、13年の478件より28件増加した。公務員や教職員らによる事件は103件で、1件減った。私人間の事件は403件で29件増加した。

 公務員、教職員のうち、体罰などが17件(前年比24件減)。学校におけるいじめは85件(同23件増)だった。私人間(しじんかん)では、近隣トラブルなど「住居の安全に関するもの」が79件と、13年の37件から大幅に増えた。また「労働権に関するもの」も13件から32件に増えた。
 同法務局によると、沖縄の特徴として家族間の暴行・虐待が全国に比べて多いという。14年は173件と13年の208件から減少したものの、全体の34・19%を占め、全国平均の19・03%を大きく上回った。
 対応の具体的な事例として、公立小学校でいじめを受けた児童が学校に行けなくなり、保護者から申告を受けた法務局が調査し、学校を含めた関係者を集めて話し合いをしたことが報告された。被害児童の保護者に対し、学校側は初期対応が不適切だったことを、加害者の保護者は暴行をそれぞれ謝罪した。被害児童はその後登校できるようになったという。