西原町、男子生徒に救済措置 医療費補助、議会に追加提案へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【西原】西原町内の小学校で起きた事故で男子児童(現在は中学生)が脳脊髄液減少症を発症した問題で、同町の上間明町長は18日、医療費の一部を公費で補助する「脳脊髄液減少症に関する医療費等の助成事業(仮称)」に関する条例案を、開会中の3月定例会に追加提案する方針を表明した。

補助額や対象期間など支援策の詳細を固めた上で週明けに議会提案し、4月1日施行に向けて会期末成立を目指す。
 男子生徒は現在も保険適用外の治療を県外の専門病院で続けており、保護者はこれまで医療費と渡航費合わせて約250万円を自己負担している。町側は当初、3月定例会での支援策提案は検討作業が間に合わないとの見通しを示していたが、救済を求める3万5千人余りの署名提出や、県教育委員会から対応を求める文書が送付されたことなど世論の高まりを受け、一転して早急な対応を政治判断した。
 町議会からは費用の全額給付を求める付帯決議が出されているが、町側は長野県飯山市の医療費軽減事業などの先行事例を踏まえ、医療費の一部補助で調整するとみられる。
 18日の町議会3月定例会一般質問の答弁で上間町長は「どういう形で支援策を講ずるか課題を検討している。保護者の思いに寄り添いながら支援していく」と述べた。小橋川明教育長は「損害賠償の手続きをやりながら、それとは別に支援策を講じる二段構えだ。損害賠償は保険会社が因果関係を調査中だが、われわれの納得のいく客観的な立場で結論を出してほしいと申し入れている」と強調した。
 支援策実施の表明について児童の保護者は「どのような制度の中身になるか見守りたい」と話した。