琉米条約「光栄だ」 ペリー書簡も米が保管


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】米国立公文書館は20日までに、琉球国と米国が1854年7月11日に交わした、琉米修好条約の米側所蔵の原本を本紙に公開した。この原本を同封し、締結を本国に報告したペリー提督直筆の書簡も公開した。手紙は「琉球王国と結んだ条約3原本のうち1通を送付するのを光栄に思う」と述べており、締結を大きな成果として喜ぶ様子もうかがえる。琉球国が有した「主権」の証しである条約原本は締結160年後も同公文書館が厳重に保管しており、歴史的価値の高さを示している。

 条約原本は米上院の批准証書、ピアース大統領の公布書(ともに55年3月9日付)と合わせて保管されている。
 ペリーの書簡は54年9月5日付で、ドビンズ海軍長官に宛てたもの。米側に渡った原本計3通のうち「1通は私が欧州経由で本国に持ち帰る」「残り1通は(米艦船)ミシシッピに載せて他の書類と共に本国に向かう」と記している。
 米国立公文書館が所蔵する原本はペリーが手紙に同封した1通。これはマーシー国務長官に転送され、国務省が保管した後、1938年3月に同公文書館に移送した。現在はつづり「条約集194」に入れ、一般公開はせず保管している。一方、残る2通の所在について同公文書館は「特定できていない」としており、公開された原本は米側で所在が分かる唯一のもの。
 琉球側の原本は琉米、1855年締結の琉仏、59年締結の琉蘭の3条約が74年5月、明治政府に没収され、外務省が保管している。これら条約3原本は29日まで、浦添市美術館で開催している「琉球・幕末・明治維新 沖縄特別展」(琉球新報社、沖縄産業計画主催、浦添市教育委員会共催)で展示されている。
英文へ→US shows a copy of the Ryukyu-US Treaty and letters by Commodore Perry

琉米修好条約の原本を同封し、本国に締結を報告したペリー提督の直筆書簡
米国立公文書館が本紙に公開した琉米修好条約の米側所蔵原本