高江ヘリパッド「影響大」 日本鱗翅学会、生態系保全要望へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本鱗翅(りんし)学会(会長・石井実大阪府立大学教授)は東村高江と国頭村安波の米軍ヘリパッド建設で生息地を奪われる貴重な昆虫類の多様性保全を求め、23日に、中谷元・防衛相、翁長雄志県知事、伊集盛久東村長、宮城久和国頭村長宛に要望書を送付する。

 国内の生物多様性保全上、重要な昆虫類がヘリパッド予定地に多数生息している。閉鎖的な島しょ地域での環境かく乱は生物や生態系への影響が極めて大きいとし、専門家を交えた十分な検討を各関係機関に求める。同学会はチョウやガのプロとアマチュア研究者1300人で組織し、ヘリパッド建設問題で要望書を出すのは初。同学会の矢後勝也自然保護委員長(理学博士、東京大学総合研究博物館)は高江や安波に広がる森は絶滅に瀕(ひん)するチョウ類やヤンバルテナガコガネなどの固有種の楽園だと指摘した。