沖縄戦 実相伝えて ひめゆり資料館、平和ガイドに講習


社会
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参加者からの質問に答える元ひめゆり学徒隊の証言員=16日、糸満市のひめゆり平和祈念資料館

 【糸満】糸満市のひめゆり平和祈念資料館(島袋淑子館長)は16日、県内のバスガイドや平和ガイドを対象に「第7回ひめゆりガイド講習会」を開催した。同館職員によるガイドツアーや元ひめゆり学徒との質疑応答に42人が参加し、ひめゆり学徒隊についての理解を深めた。

 沖縄戦やひめゆり学徒隊への理解を深め、日々のガイド活動に役立ててもらおうと、同館は毎年ガイド講習会を開催している。
 第1部では、職員がひめゆりの塔周辺と館内を案内。第2部は元ひめゆり学徒隊の証言員9人が参加者の質問に答えた。
 その後の第3部では証言員の活動を引き継ぐ説明員が平和講話を行った。
 質疑応答では、「戦後に家族とどうやって再会したのか」との問いに対し、島袋館長は「戦場で友人が死に、私も重症を負った。『死のう』と考えていたが、再会した母の顔を見たら『やっぱり生きなければ』と思った。友人の中には一家全滅の家もいる。私のきょうだい2人も戦争で亡くなった。戦争は絶対に起こしてはならない」と力を込めて語った。
 説明員の仲田晃子さんは平和講話の中で「戦場で多くの友人を亡くした証言員たちは、『生き残って申し訳ない』という気持ちを抱え、戦後長い間、人前で戦争体験を語ることができなかった」と説明した。
 参加した中部観光バスの仲本梨花さん(21)は「語り部の方がどんな気持ちで私たちに戦争体験を伝えてきたのか、真剣に考えなければならないと思った。学んだことを修学旅行生に伝えたい。もっと勉強しないといけない」と語った。