翁長知事、中国首相と面談 那覇―福州の定期便開設を要望


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 翁長雄志知事は14日、日本国際貿易促進協会(会長・河野洋平元衆院議長)の訪中団と共に、北京の人民大会堂で李克強首相と面談した。翁長知事は中国と沖縄の交流の歴史について述べた上で、福建省と沖縄の経済特区の交流や、那覇-福州の定期航空便の開設を要望した。李首相は「沖縄を含む全ての地方に交流を開放している」と話し、経済交流促進へ積極的な姿勢を示した。

 李氏が首相就任後、日本の知事と面談するのは初めて。李首相と訪中団の会談は約1時間行われ、河野会長以外では唯一、翁長知事が約10分にわたって発言した。
 翁長知事は、福建省の琉球人墓地や北京の琉球学館で琉球王府の留学生が学んだ歴史などに触れ「これらの人材が中枢を支え、琉球王国はアジアの懸け橋となった」と説明。福建省の自由貿易経済試験特区を挙げ「日本には沖縄だけの経済特区があり、ぜひ、交流を促進させたい」と働き掛けた。さらに「那覇市と福州市の定期便も願っている」と空路拡大に期待した。
 李首相は「(沖縄との)歴史も学ぶ必要がある。中国は日本の地方との交流を積極的に支持している」と答えた。
 会談では李、河野両氏が日中の経済関係や歴史問題について意見交換。李首相は「(中日)双方ともに困難な状況を改善する意思を持っている」と述べ、日本との関係改善に一定の意欲を示した。
 李首相が日本政界の要人と会談するのは初めて。日中関係が徐々に好転していることに加え、中国側が、安倍晋三首相の政権運営に強い懸念を表明している河野氏の政治スタンスを重視した結果と言えそうだ。
英文へ→Okinawa Governor Onaga meets Chinese Premier