政治

浦添市長、軍港受け入れ 公約を全面撤回

「軍港移設反対」の公約を全面撤回し、那覇軍港の浦添移設の受け入れを表明する松本哲治市長=20日午後3時すぎ、浦添市役所

 【浦添】浦添市の松本哲治市長は20日、浦添市役所で記者会見し、那覇軍港の浦添移設について「市益の最大化を図り、本市の持続的発展のため受忍すべきと決断した」と述べ、市長選で掲げた「軍港移設反対」の公約を全面撤回し、正式に那覇軍港の受け入れを表明した。

市長選の公約を撤回したことで、市民からの反発が高まるのは必至だ。浦添市は西海岸開発について独自の市案を策定しており、松本市長はその実現のため現行の軍港移設予定地を浦添ふ頭南側海域への位置変更を求めている。
 位置変更を要求しており、日米両政府が浦添市案に応じるのかは不確定要素もある。松本市長の受け入れ表明で那覇軍港移設問題は新たな局面を迎える。
 公約を撤回したことについて「辞任して信を問うべきではないか」との質問に対し、松本市長は「公約を転換しなければならなかった理由を丁寧に市民に説明していきたい」と述べ、辞任しない意向を示した。
 松本市長は受け入れの理由について「軍港についての見解をはっきりさせないままでは西海岸開発の浦添市案は進まない。市や県と同じ枠組みで歩調を合わせて進めるのが妥当と判断した」と語り、日米特別行動委員会(SACO)の合意に基づいて協議する方針を示した。同時に市案実現のため軍港の位置変更も求めていく。
 この時期に受け入れを表明したことについて、28日に東京で開かれる那覇軍港移設協議会で市案を提案することや、8月の那覇港長期構想策定、11月の那覇港湾計画改定に市案を反映させる必要があるとし「今回ほど苦しい決断はなかった。公約を貫いていくのか、または現実に合わせた形で転換するのかはどっちが正しいとは言えない。市民に丁寧に説明し、理解いただけるよう努力したい」と述べた。
 市はキャンプ・キンザーの返還を見据え、国際的な観光リゾート地形成を目指し、人工ビーチやマリーナ、大型クルーズ船バースを整備するとしており、ビーチを北向きから西向きに変更した市案を2月に策定した。