ラムサール登録湿地 慶良間全域に拡大


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拡張される登録区域

 環境省は22日、国際的に重要な湿地保護を目指すラムサール条約に登録されている慶良間諸島海域について、登録面積を約23倍に拡張するなどの方針を中央環境審議会の自然環境部会に報告した。353ヘクタールから座間味、渡嘉敷両村のほぼ全域となる8290ヘクタールに広げる。昨年3月の慶良間諸島の国立公園指定を受けたもので、5月末にも正式登録される。

 条約には涸沼(ひぬま)(茨城県)、芳ケ平(よしがだいら)湿地群(群馬県)、東よか干潟(佐賀県)、肥前鹿島干潟(同)の4カ所が新たに登録される。国内登録数は50カ所とアジアで最大となる。
 慶良間海域は拡張により、国内では琵琶湖(6万5984ヘクタール)、尾瀬(8711ヘクタール)に次ぐ3番目の登録面積になる。
 環境省によると、拡張を協議した野生生物小委員会では、拡張区域に含まれるチービシで近年、ベニアジサシの繁殖が減少していることを条約事務局に伝えるよう求める意見も出た。
 条約は湿地を破壊せずに動植物を保全し、賢明な利用を促すことを基本理念に締結国が取るべき措置を定める。保全義務や罰則はない。