FC琉球、連敗脱出 サッカーJ3 第10節


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ダメ押しとなる2点目を挙げ、喜ぶFC琉球のDF才藤龍治(中央)=5日、県総合運動公園陸上競技場(普久原裕南撮影)

 サッカー明治安田J3のFC琉球は6日、ブラウブリッツ秋田と県総合運動公園陸上競技場で第10節を戦い、2―0で勝って連敗を2で止めた。琉球は3勝2分け5敗で勝ち点11。順位は9位のまま。

観客は1028人だった。琉球は後半18分、MF小幡純平が先制。同41分にはコーナーキックから途中出場のDF才藤龍治がJリーグ初ゴールを決め、秋田を突き放した。守備は終盤まで集中力を切らさず、今季初の完封勝利を飾った。次節はSC相模原と10日午後1時から、神奈川県の相模原ギオンスタジアムで対戦する。

(1)沖縄県
琉球 3勝2分け5敗(11)
2―0(0―0,2―0)
秋田 4勝1分け4敗(13)
▽得点者【琉】小幡(2)才藤(1)
▽観衆 1028人

 【評】FC琉球が秋田を無失点に抑え、快勝を収めた。前半、中盤を琉球が支配するが守備を崩せず、チャンスをつくれない。後半は運動量が落ちた秋田に対し、琉球がサイドを起点に主導権を握った。小幡のゴールで先制すると、途中交代の才藤も追加点を挙げて試合を決めた。琉球は守備も踏ん張り、逃げ切った。(荒井良平)

◆失点0がうれしい
 薩川了洋監督(FC琉球)の話 積極的に前に出てボールを奪えていた。暑い中、最後まで走ってくれた。沖縄のチームとして、いつもこの気候の中でやっている地の利を生かせた。2点取ってくれたこともうれしいが、失点0で帰ってきてくれたことが一番うれしい。

◆後半途中までは互角
 間瀬秀一監督(ブラウブリッツ秋田)の話 後半の途中までは互角に戦えていたが、そこからは琉球の選手たちの方が完全に勝っていた。琉球のポテンシャルは高く、難しい試合になるのは分かっていた。それに対して準備していたが、しっかり構えられていなかった。

◆攻守がかみ合い快勝/順位上昇へ反撃ののろし
 攻めては2発、守っては無失点。FC琉球は3連勝中と好調のブラウブリッツ秋田に、連敗のもやもやを吹っ飛ばす快勝を収めた。J初得点となるダメ押し弾で勝利に貢献したDF才藤龍治は「この勝ちで乗っていける」と順位上昇へ力を込めた。
 前々節のレノファ山口戦は2点のリードを守りきれず、逆転負け。前節の町田ゼルビア戦は残り20秒で劇的な決勝点を決められ、敗れた。それでも薩川了洋監督は「この連敗をポジティブに反省して経験値につなげていこう」と前向きに選手たちを送り出した。
 気温26・5度の暑さの中、相手の運動量が落ちた後半に琉球の攻撃が火を噴いた。後半18分、FW松尾昇悟がポストプレーで粘り、落とした所にMF小幡純平。「あとは振り切るだけだった」と冷静に流し込み、先制に成功した。
 リードを奪ってもGK今野太祐の脳裏には「(終盤に勝ち越された)町田戦、山口戦の悪いイメージがよぎった」という。しかし「その分、声を切らさず引き締めていこうと集中できた」。選手たちは連戦の疲れや暑さにも負けず、最後まで走り続けた。
 「まだ全36試合の4分の1が終わったところ。まだ諦めない」と薩川監督。逆襲の夏へ、反撃ののろしを上げた。(荒井良平)