コノハズク校内で営巣 大宜味・喜如嘉小


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 【大宜味】大宜味村立喜如嘉小学校(上間忠彦校長)の敷地内にある巣箱で、リュウキュウオオコノハズクのひな3羽がすくすく育っている。同校野鳥クラブ(宮城健大部長)の児童らは、昨年、カラスに襲われていた同種のひなを救ったこともあるため、「戻ってきたのかも」と期待しつつ、新たな命の成長を見守っている。

 営巣に気付いたのは4月27日。教室そばの電線に親鳥が止まっているのを比嘉銀二君(6年)らが発見した。近くの木に設置された巣箱の中を見ると「親鳥が優しくひなを包んでいた」(比嘉君)。その日だけ巣箱内を撮影し、後は元気な姿を想像しながら巣立ちを待っている。
 山や川、水田に囲まれた同校では授業や朝の自主活動で野鳥観察を続けている。7日には全校生徒による観察会で、13科14種の野鳥を確認した。児童らは「野鳥がいればカメラを構え、葉音がすれば条件反射のように鳥を探す」(喜友名淳教頭)ほどの熱の入れよう。
 100種以上の野鳥を覚えている児童もいて、素早い鳥の撮影も慣れたもの。「俺はアカショウビンを撮った」「これヤマガラ。カワウは大保ダムで撮ったぜ」と自慢の一枚を見せ合う。
 児童は野鳥保護にも一役買っており、5月12日には、カラスに襲われていたリュウキュウアオバズクのひなを金城勇斗君(5年)や上原風輝(かざき)君(6年)らみんなで救助し、名護市のヤンバル動物診療所に届けたばかりだ。
 同校の伝統になっている野鳥の観察と保護を続ける同校野鳥クラブの宮城健大部長は、10日からの愛鳥週間に合わせたように学校内で営巣したオオコノハズクに「早く親子で飛ぶ姿を見たい」とエールを送った。

巣箱の中でひな3羽を温めるリュウキュウオオコノハズク=4月27日、大宜味村立喜如嘉小学校(比嘉銀二君撮影)
野鳥観察と保護を続ける喜如嘉小の児童ら=13日