85歳波平さん「音楽生きがい」 ピアノ、ベース、パソコン駆使


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作った曲に合わせピアノを弾く波平さん=恩納村山田の自宅

 【恩納】ことし11月で86歳になる恩納村山田の波平健郎さん。書斎兼仕事場にはピアノ、エレキベース、楽譜スタンドのほか、コンピューターと種々の音響機器が並んでいる。毎日午前5時に起床し、2時間のウオーキング。朝食を済ますと、すぐにコンピューターに向かう。好きな歌の編曲・作曲をするためだ。制作中の曲や、編曲した曲に合わせてベースを弾く。

午後はピアノを2時間、1時間は基礎練習に充て、あとは好きな曲の演奏で楽しむ。
 21歳の時、昭和バス(現琉球バス交通)で屋慶名線の運転手を務めた。その時車掌だった松子さんと結婚し、4人の子どもを授かる。38歳で単身大阪に行き、万博建設工事現場で働く。その後、阪急タクシーの運転手をして、残した家族を大阪に呼び寄せる。
 子どもも皆独り立ちし、10年前、現在の恩納村山田で夫婦2人の生活に戻った。しかし、8年前に妻に先立たれた。
 絶望の底にいた波平さんを救ったのが、子どものころから好きだった音楽だ。大阪時代に会社の音楽クラブに参加して楽器を習い、演奏していた経験で楽譜も読めた。沖縄に戻ってからコンピューターの基礎を学び、現在の創作活動につながった。
 大阪時代に作詞・作曲した演歌(9曲)や童謡・沖縄民謡の編曲版もCDに収めている。
 「音楽が生きがいだ。学校の校歌や団体の記念歌など、身近でお役に立てれば幸せだ」と控えめに話した。
(小山猛三郎通信員)