【交差点】大人気の韓国ドラマ


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 韓国ドラマの「大長今」が香港で放映され、大きな話題になっている。このドラマは、16世紀の朝鮮王朝で宮廷料理人から王朝専属医になった女性が主人公。最終回の視聴率は過去最高の50%台に達する見通しで、人口の約半分の320万人余りがテレビを見たという。
 ドラマ自体が視聴者の興味を引き付けるのはもちろんのこと、ドラマを放映した香港のテレビ局では、番組をより分かりやすくするため韓国の歴史や文化を1分にまとめ、毎回ドラマの前で紹介したことが高視聴率につながった。
 また、ドラマでは王朝に料理を提供するため、体に良い食材の選定から料理の作り方まで紹介されたことも、食通で知られる香港人に受け入れられた。近所の子供がドラマの主題歌を口ずさんでいるのを聞くと、このドラマが幅広い年齢層で人気があることが分かる。
 人気番組に便乗しようと、ドラマで紹介された料理を提供する韓国レストラン、撮影地を訪ねる旅行商品を販売した旅行社、主人公の人形を製造販売した業者など、さまざまなところでビジネスに結び付けている。
 日本より遅れて放映されたにもかかわらず、全70話を約3カ月で一気に放映し終えた香港のテレビ局。ドラマに独自の工夫を凝らし、視聴者へのサービス向上を図る。常にお客様を喜ばせることを心がける姿勢が、香港の娯楽市場をけん引しているのだろう。
 (志村正人・県産業振興公社香港事務所長)