ザハルスキさん、本島全市町村を走破 最低3キロ、仲間と達成


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 【名護】「駅伝の練習を少しでも楽しくしようとして」―。浦添市のザハルスキさやかさん(33)=が14日、沖縄本島内全26市町村を1日最低3キロずつ走破する挑戦を約40日間かけ、最後は名護市で達成した。

21日に出場した駅伝大会の練習で、当初は地元を1人で走っていたものの「三日坊主で終わった。本当に3日でやめた」。そんなザハルスキさんが夜中に突然思いついた策が、いろいろな土地を誰かと一緒に楽しく走ることだった。挑戦を終え「何気なく始めたので、できるとは思わなかった。みんなの協力のおかげです」と振り返った。
 自らに課したルールは(1)必ず誰かと走る(2)走る距離は1市町村当たり3~6キロ(3)一緒に走った人からシャツにサインをもらう―の三つ。5月5日の北谷町を皮切りに、各市町村を一緒に走った総勢70人近くのサイン入りシャツを、駅伝本番に着て走って力に変えた。
 4月に読谷村で開催された「残波駅伝」に妹の応援へ行ったのが全ての始まりだった。当日の駅伝メンバーに欠員が出てしまい、たまたまその日乗馬に行く予定でランニングシューズを履いていたザハルスキさんが急きょ走ることに。そのまま加入し、次の大会への参加が決まった。
 1人で練習していると「部活の罰で走らされている感覚を思い出した」ため、フェイスブックなどで仲間を募った。金武町では田芋畑沿いを、嘉手納町では「道の駅かでな」の展望台から嘉手納飛行場を見下ろし、東村では満月の下で蛍火を横目に走った。
 共に走った仲間も喜ぶ。14日の達成当日に原始人の格好をしながらはだしで走った砂川伸彦さん(45)=那覇市=は「感動した。本番でも楽しく走ってほしい」と話した。
 5月17日に大宜味村を走った日浅杏美さん(29)=浦添市=は「達成したこともすごいが、こういう企画をやろうと思ったこと自体がすごい」と感心しきりだった。
(長浜良起)

これまで一緒に走った仲間たちのサインで埋まるシャツを肩に掛けるザハルスキさやかさん
沖縄本島内全26市町村を走破する挑戦を達成し、両手を上げて喜ぶザハルスキさやかさん(中央)=14日、名護市内