2025年、中南部で1600増床必要 県「参考値」強調


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 県は30日、2025年に必要な病院ベッド(病床)数の推計値を2次医療圏ごとに初めて公表した。医療提供体制の姿を示す「地域医療計画」の策定に向け、政府の指針による計算方法を利用したもの。南部は921・3床、中部は722・3床の増床が必要となる。

一方で、北部は498・5床、宮古は389・2床、八重山は73・1床の余剰となり、削減が必要とされた。
 政府はこれまでも、県内では約700床の増加が必要となると示してきた。今回の推計値について、県は700床の内訳を示すための計算で「参考値であり、医療構想にそのまま当てはめられるわけではない」と強調している。
 13年度時点の県内の病床数は北部1619床、中部4270床、南部7411床、宮古804床、八重山499床だった。これに対し、25年に必要な病床数は、北部1120・5床、中部4992・3床、南部8332・3床、宮古414・8床、八重山425・9床となった。
 最も増加数が大きい南部の25年推計病床数を機能別に見ると、救命救急や集中治療に対応する「高度急性期」が1110・7床、次いで緊急性の高い「急性期」が3172・2床、リハビリや在宅復帰に向けた「回復期」が2350・1床必要とされた。現在の療養病床(1780床)に相当する「慢性期」は1699・3床で、療養病床は80・7床余剰。
 県は8月にも医師会や看護協会、病院団体、医療保険者らによる「地域医療構想検討会議」を設置。今回算出された推計値を参考に、地域の医療資源や将来の医療需要の変化などを考慮しながら、将来の必要な病床数を決定していく。

病床数の変化
2013年の病床数と25年の推計値